ついに我慢の限界がきた。
約10年ほど前にも一度発症(内痔核)し、塗り薬と飲み薬でなんとか収まっていたのだが、タイに来て辛いものを食べることが多くなったからか再発していた。
トイレに行くたびに痛みと、場合によっては血がでることもあり、
そのたびに日本から持ってきていたボラギノールを使ってごまかしていた。
だが、それもいよいよ限界。
某店でちょっと辛めのラーメンを食べてしまい、強烈な下痢に見舞われた結果、痔にもクリティカルなダメージを与えてしまった。
あまりの痛みと鮮血。
もはや市販薬などではどうにもならないと判断し、シラチャのサミティベート病院に駆け込んだ。
選択肢は薬による縮小もしくは手術
サミティベートの日本人専用受付で「痔が痛い!」と伝える。
恥ずかしいなど考えている余裕は無い。
治療は一瞬の恥、我慢は一生の苦痛だ。
名前を呼ばれ外科の先生の部屋へ。
男性の先生だ、ちょっとホッとした。
といっても女性の看護師さんも横で見ているのだが…
スボンを脱ぎ、横になって膝を抱える体制で診察。
触診で再び激痛が走る。
これですね、と。
診察が終わって、医師のパソコンから参考画像を見せてくれる。
特に医療用みたいなのではなく、google画像検索の画像だった。
選択肢は2つ。
1つは塗り薬で様子を見る。小さくなって治まるかもしれないし、治らないかもしれない。時間もかかる。
もう一つは手術。腫れた痔核を切除するものだ。こっちの方が一時的には痛いけど治るのは早い。
入院は1日か2日程度とのこと。
一度過去に薬を選んで再発した自分としては、薬で様子見という選択肢は無い。
入院期間も思ったより短いので、その場で手術をしたいと申し出た。
費用と保険適用
事前に見積もりを提出し、承諾して進めるというのがタイのスタイル。
見積もりは入院費含め何と110,000THB。(約38万円)
さすがのサミティベート価格。めちゃめちゃ高い。流石に保険無しだとツラい額だ。
私のような駐在員は海外旅行保険に入っているので、適用されれば全額保険で負担できる。念の為保険適用可否を確認した。
10年ほど前とはいえ日本で受診歴がある。持病として判断されると適用外となる可能性があるからだ。
確認したところ、定期的に通院していた訳ではなく一度受診して完治していたと言うのであれば、今回新しく発症したと判断して保険適用できるとのこと。
良かった。
※この判断については保険会社によって違う可能性もあるので、これから手術を受けられる方は事前に確認していただきたい。
手術前入院とコロナウイルスPCR検査
いまのタイのルール(病院のルールかも知れない)では、手術をする前にコロナウイルスのPCR検査を受ける必要があるとのこと。
初めてのコロナ検査だ。
シラチャのサミティベート病院では、病院建屋から少し離れた駐車場にPCR検査専用のハウスがあり、そこで受診した。
鼻の奥まで綿棒を突っ込まれ、さらに喉の奥にも2本目を突っ込まれた。
なかなかツラい、痛い検査だ。
結果も教えてくれなかったが、入院できたということは陰性なのだろう。
そこから採血と点滴用の注射針をブスッと手の甲に打ち、12階の個室に案内された。
手術は翌日10時。麻酔の効果を高めるためか22時以降は飲食禁止となった。
いざ手術!
朝9時ごろから準備に取り掛かる。
血圧、体温、脈拍いずれも問題なし。
準備室に運ばれ、麻酔から手術にかけて手順の説明を受ける。
麻酔は下半身麻酔。腰にブロック注射を打つ。手術はうつ伏せで約一時間だそうだ。
予定時間から少々遅れること20分ほど。
ついに手術室へ運ばれる。
かなり清潔で広々とした手術室。まるでドラマのワンシーンのようだ。
(痔のドラマは無いだろうけど)
横になって膝を抱え背中を丸めてブロック注射を打つ。注射独特の体の中に異物が入ってくる感覚。そして鈍痛。
何発打ったか分からないが、段々と下半身の感覚が痺れてきた。
そして手術台へうつ伏せになる。
うつ伏せでケツ丸出し。クレヨンしんちゃんのようだ。
意識は覚醒しているので、自分の格好を想像して吹き出しそうになるが何とか堪える。
何となくお尻を弄られている感覚はあるもののほとんど痛みもなく、オペ自体は30分程度で終わったと思う。
その後、準備室で1時間半ほど血圧や脈拍などを様子見した後、病室へ戻った。
麻酔が切れるまでの不安
部屋に戻ってからも麻酔がどんどん効いてくる。手術中でも爪先が動かせていたのが、つま先すら動かなくなり、ついに下半身すべてが動かなくなった。
重いとか痺れてるとかではない。動かし方を忘れたような感覚。
1時間、2時間経っても戻らない。
段々と不安になってくる。このまま半身不随になるんじゃないかと。
その間に、切除した痔核を瓶詰めにして見せてくれた。念の為検査に出すそうだ。
ピーナッツくらいの血の塊が何と4つもあったそうだ。こんな事ならもっと早く手術しておけばよかった。
そして16時ごろになってやっと足が動くようになってきた。麻酔が少し切れてきたようだ。
良かった、半身不随じゃない。ホッとひと息。
それに伴い猛烈な尿意。
トイレに何とか辿り着くものの、力の入れ方が分からず、なかなか出ない。
ここでも痺れというよりやり方を忘れたような感じ。
オシッコってどうやって出すんだっけ?
無意識でやってる事って麻酔打つと全く分からなくなるのね。
もう一日泊まって退院へ
水分補給の点滴も18時頃で終わり、そのままもう一日泊まってから帰ることに。
サミティベート病院は日本のTVも見れるしYou Tubeも見れるので快適に過ごせる。
ひたすら中田敦彦のYou Tube大学を見て時間を潰す。
麻酔が切れてきてだんだん鈍痛がでてきたので、痛み止めを服用してから眠りについた。
翌朝。
執刀医の先生が状況確認。
お尻に貼ったガーゼを外して見てもらう。もはや恥ずかしさなど無い。
問題ないとのことで晴れて退院が決定。
必要書類などにサインをし、着替えて病院を後にした。
正式な金額は119,980バーツだった。40万。
うぇ。保険効いてよかった。
帰りはトゥクトゥクのチケット40バーツ分をくれる。
微妙にケチ。家まで60バーツ。20バーツ足りない。
そしてトゥクトゥクの乗り心地が手術後のお尻に響く。痛い。
もうちょい快適な乗り物はないものか。
シラチャの辛い所だ。
術後の排便が痛い
2日ぶりに部屋に帰ってきた。落ち着く。
落ち着いたらトイレを催したので、恐怖を感じながらもトイレへ。
正直めちゃ痛い。
痔の症状のときと同じくらい。血もでる。
手術の手法上すべてを縫合するわけにはいかず、傷の状態で残しておくらしい。
縫合してしまうと、細菌がその中に入って化膿する恐れがあるからだそうだが、そのせいかやはりかなり染みる。
当分は我慢しないと仕方がないのだろう。
お風呂に入って温めると清潔になるし痛みも和らぐそうなので、今後からは準備してからトイレに行くようにしよう。
まとめ
実は痔で悩んでいる・・・という人へ。
私は自分から言う方だが、言ってみると実は私も・・・ということも何度かあったので、特にタイに来てから悪化したなど悩んでいる人も多いと思う。
もし良ければ参考にしていただきたい。
・前日泊含め2泊3日で手術可能
・サミティベートで約12万バーツ
・海外旅行保険適用可
・日本で過去に治療歴があっても、完治後期間が空いているなら適用可
(ここについては要確認)
・手術は麻酔なども含め約1時間。術中は痛くない。
・経過観察は10日後に再診
今日退院したので、術後の経過はまた後日。
長年の悩みが一つ解決しそうで嬉しい。痛いけど。